土地境界、裁判なしで決着
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土地境界、裁判なしで決着

寒さはまだしばらくは続くでしょうが、日は確実に長くなっていますね。
週末のテニスの際に実感します。

ところで、今回は先日新聞に掲載になっていた土地境界について…

友人の土地家屋調査士に言わせると、大きな前進ではあるものの
「法務省の腰砕け」とのこと→長いですが、良ければ後述のコメントをご参照下さい。 

◆土地境界、裁判なしで決着・法務省、法改正検討

 法務省は土地の境界(筆界)を巡る紛争を裁判をしないで迅速に解決する「筆
界特定制度」を創設する方針を決めた。紛争当事者からの要請を受け、法務局の
登記官が半年程度で境界を特定する。今国会に不動産登記法改正案を提出、早期
成立を目指し、2005年度中にも施行する考えだ。

 現行制度では土地の境界の紛争は、当事者間で話し合い解決ができない場合、
民事訴訟に持ち込まれる。決着には2年程度かかり費用がかさむうえ、裁判で隣人
関係が悪化する懸念もある。新制度では、当事者が全国50カ所の法務局に申請し
て一定の手数料を払えば、登記官が土地家屋調査士らと調査し、裁判なしで半年
程度で境界を定める。

 法務省は当初、登記官が「行政処分として」境界を定め、不服な場合は国に
行政訴訟する仕組みを考えていた。しかし、強制力が強い行政処分では手続きが
複雑で利便性も低いとの批判があり、導入を断念。登記官が定めた境界が不満な
ときは、現行と同じ民事訴訟に委ねる制度にした。(以上、2005.1.23日経新聞から) 

【コメント】 長い! 
不動産取引における物件の特定とその正確性を期するには、登記簿の表題部や
地図が如何に正確であるかが問われるところです。ご存じのように日本の地図
(不動産登記法第17条に規定された地図)は、明治時代の地租改正時に作製
されたものをベースに加筆修正され、現在に至るものが多くあり、本来果たすべき
精度を満たせない、或いは位置の特定ができないなどの問題を持つものもあります。

これらの問題は円滑な経済活動の支障になるばかりでなく、境界紛争を誘発する
要素もあり、現実に日本各地で年間1000件以上の裁判が起こり確定判決を
得るのには平均2年近い時間を要しています。政府はこれらの問題を解決を図る
ため、昨年「新たな境界確定制度」の法案をまとめ、世に問いました。
しかし登記官が行政処分を行う事への抵抗感と能力担保の問題から、現場の声は
決してこの案を歓迎するものばかりではありませんでした。司法試験に合格した
裁判官でさえ判断に苦しむ事案を、登記官ができるのか?これが正直な感想でした。
結局、その案は修正され腰砕けになった訳です。

我々土地家屋調査士は、日常業務の中で土地境界について、本来あるべき筆界
を精細な調査の上当事者に提示し、納得できるまで交渉する術を身につけています。
これは一種の民間型ADRです。米国では裁判制度と同レベルで、ADRが認められて 

います。日本政府はもっと、民間の力を利用し、民間に委ねることが必要であると
感じます。これからはADRに関する法案も整備されていくでしょう。民間に何らかの

法的バックアップを認めるような形になるのが、ひとつの終着点かもしれません。

以上、友人の熱い想いでした。

余寒とはいうものの、一番寒い時期かと思います。
くれぐれもお身体ご自愛下さい。

※ご意見等を頂戴できればありがたいです。また配信不要の方は、
  お手数ですが、その旨ご連絡頂ければ幸いです。

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〒541-0041
大阪市中央区北浜2丁目1番21号
  株式会社 中央プランナー
     中 尾 岳 史 nakao@c-planner.com
     小 松 明 彦 komatsu@c-planner.com

寒さはまだしばらくは続くでしょうが、日は確実に長くなっていますね。
週末のテニスの際に実感します。

ところで、今回は先日新聞に掲載になっていた土地境界について…

友人の土地家屋調査士に言わせると、大きな前進ではあるものの
「法務省の腰砕け」とのこと→長いですが、良ければ後述のコメントをご参照下さい。 

◆土地境界、裁判なしで決着・法務省、法改正検討

 法務省は土地の境界(筆界)を巡る紛争を裁判をしないで迅速に解決する「筆
界特定制度」を創設する方針を決めた。紛争当事者からの要請を受け、法務局の
登記官が半年程度で境界を特定する。今国会に不動産登記法改正案を提出、早期
成立を目指し、2005年度中にも施行する考えだ。

 現行制度では土地の境界の紛争は、当事者間で話し合い解決ができない場合、
民事訴訟に持ち込まれる。決着には2年程度かかり費用がかさむうえ、裁判で隣人
関係が悪化する懸念もある。新制度では、当事者が全国50カ所の法務局に申請し
て一定の手数料を払えば、登記官が土地家屋調査士らと調査し、裁判なしで半年
程度で境界を定める。

 法務省は当初、登記官が「行政処分として」境界を定め、不服な場合は国に
行政訴訟する仕組みを考えていた。しかし、強制力が強い行政処分では手続きが
複雑で利便性も低いとの批判があり、導入を断念。登記官が定めた境界が不満な
ときは、現行と同じ民事訴訟に委ねる制度にした。(以上、2005.1.23日経新聞から) 

【コメント】 長い! 
不動産取引における物件の特定とその正確性を期するには、登記簿の表題部や
地図が如何に正確であるかが問われるところです。ご存じのように日本の地図
(不動産登記法第17条に規定された地図)は、明治時代の地租改正時に作製
されたものをベースに加筆修正され、現在に至るものが多くあり、本来果たすべき
精度を満たせない、或いは位置の特定ができないなどの問題を持つものもあります。

これらの問題は円滑な経済活動の支障になるばかりでなく、境界紛争を誘発する
要素もあり、現実に日本各地で年間1000件以上の裁判が起こり確定判決を
得るのには平均2年近い時間を要しています。政府はこれらの問題を解決を図る
ため、昨年「新たな境界確定制度」の法案をまとめ、世に問いました。
しかし登記官が行政処分を行う事への抵抗感と能力担保の問題から、現場の声は
決してこの案を歓迎するものばかりではありませんでした。司法試験に合格した
裁判官でさえ判断に苦しむ事案を、登記官ができるのか?これが正直な感想でした。
結局、その案は修正され腰砕けになった訳です。

我々土地家屋調査士は、日常業務の中で土地境界について、本来あるべき筆界
を精細な調査の上当事者に提示し、納得できるまで交渉する術を身につけています。
これは一種の民間型ADRです。米国では裁判制度と同レベルで、ADRが認められて 

います。日本政府はもっと、民間の力を利用し、民間に委ねることが必要であると
感じます。これからはADRに関する法案も整備されていくでしょう。民間に何らかの

法的バックアップを認めるような形になるのが、ひとつの終着点かもしれません。

以上、友人の熱い想いでした。

余寒とはいうものの、一番寒い時期かと思います。
くれぐれもお身体ご自愛下さい。

※ご意見等を頂戴できればありがたいです。また配信不要の方は、
  お手数ですが、その旨ご連絡頂ければ幸いです。

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 TEL 06-6222-7070  FAX 06-6222-7080
  https://www.c-planner.com
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寒さはまだしばらくは続くでしょうが、日は確実に長くなっていますね。
週末のテニスの際に実感します。

ところで、今回は先日新聞に掲載になっていた土地境界について…

友人の土地家屋調査士に言わせると、大きな前進ではあるものの
「法務省の腰砕け」とのこと→長いですが、良ければ後述のコメントをご参照下さい。 

◆土地境界、裁判なしで決着・法務省、法改正検討

 法務省は土地の境界(筆界)を巡る紛争を裁判をしないで迅速に解決する「筆
界特定制度」を創設する方針を決めた。紛争当事者からの要請を受け、法務局の
登記官が半年程度で境界を特定する。今国会に不動産登記法改正案を提出、早期
成立を目指し、2005年度中にも施行する考えだ。

 現行制度では土地の境界の紛争は、当事者間で話し合い解決ができない場合、
民事訴訟に持ち込まれる。決着には2年程度かかり費用がかさむうえ、裁判で隣人
関係が悪化する懸念もある。新制度では、当事者が全国50カ所の法務局に申請し
て一定の手数料を払えば、登記官が土地家屋調査士らと調査し、裁判なしで半年
程度で境界を定める。

 法務省は当初、登記官が「行政処分として」境界を定め、不服な場合は国に
行政訴訟する仕組みを考えていた。しかし、強制力が強い行政処分では手続きが
複雑で利便性も低いとの批判があり、導入を断念。登記官が定めた境界が不満な
ときは、現行と同じ民事訴訟に委ねる制度にした。(以上、2005.1.23日経新聞から) 

【コメント】 長い! 
不動産取引における物件の特定とその正確性を期するには、登記簿の表題部や
地図が如何に正確であるかが問われるところです。ご存じのように日本の地図
(不動産登記法第17条に規定された地図)は、明治時代の地租改正時に作製
されたものをベースに加筆修正され、現在に至るものが多くあり、本来果たすべき
精度を満たせない、或いは位置の特定ができないなどの問題を持つものもあります。

これらの問題は円滑な経済活動の支障になるばかりでなく、境界紛争を誘発する
要素もあり、現実に日本各地で年間1000件以上の裁判が起こり確定判決を
得るのには平均2年近い時間を要しています。政府はこれらの問題を解決を図る
ため、昨年「新たな境界確定制度」の法案をまとめ、世に問いました。
しかし登記官が行政処分を行う事への抵抗感と能力担保の問題から、現場の声は
決してこの案を歓迎するものばかりではありませんでした。司法試験に合格した
裁判官でさえ判断に苦しむ事案を、登記官ができるのか?これが正直な感想でした。
結局、その案は修正され腰砕けになった訳です。

我々土地家屋調査士は、日常業務の中で土地境界について、本来あるべき筆界
を精細な調査の上当事者に提示し、納得できるまで交渉する術を身につけています。
これは一種の民間型ADRです。米国では裁判制度と同レベルで、ADRが認められて 

います。日本政府はもっと、民間の力を利用し、民間に委ねることが必要であると
感じます。これからはADRに関する法案も整備されていくでしょう。民間に何らかの

法的バックアップを認めるような形になるのが、ひとつの終着点かもしれません。

以上、友人の熱い想いでした。

余寒とはいうものの、一番寒い時期かと思います。
くれぐれもお身体ご自愛下さい。

※ご意見等を頂戴できればありがたいです。また配信不要の方は、
  お手数ですが、その旨ご連絡頂ければ幸いです。

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